こんにちは、映画好きライターの田中です。
ほぼ毎日映画を観ている私が、おすすめしたい映画の感想や見どころをご紹介。
本日取り上げるのは、巨匠ウェス・アンダーソン監督のヒット作品『グランド・ブダペスト・ホテル』です。
※ネタバレ含みます
目次
概要
『ムーンライズ・キングダム』『ダージリン急行』、そして最新作『アステロイドシティ』で注目を浴びるウェス・アンダーソン監督の、高級ホテルのオーナーと若きベルボーイが繰り広げる冒険活劇。
第87回アカデミー賞では作品賞ほか同年最多タイの9部門でノミネート。美術、衣装デザイン、メイクアップ&ヘアスタイリング、作曲の4部門を受賞した話題作。
『グランド・ブダペスト・ホテル』の配信状況
2023年10月6日現在、以下の動画配信サービスで視聴できます。
サービス名 | 視聴状況 | 初回お試し |
---|---|---|
プライム・ビデオ |
レンタル |
30日間無料 |
U-NEXT |
配信なし |
31日間無料 |
Hulu |
配信なし |
無料体験なし |
Netflix |
配信なし |
無料体験なし |
ABEMA |
配信なし |
2週間無料 |
DMM TV |
配信なし |
30日間無料 |
TELASA |
配信なし |
2週間無料 |
あらすじ
1932年、格式高いグランド・ブダペスト・ホテルには、「伝説のコンシェルジュ」と呼ばれるグスタヴ・Hがいた。究極のおもてなしを信条とするグスタヴは、宿泊のマダムたちの夜のお相手もこなし、多くの客が、彼を目当てにホテルを訪れる。
しかし、彼の人生は一夜にして変わる。 長年懇意にしていた“マダムD”が殺され、貴重なルネッサンス時代の絵画と莫大な遺産争いに巻き込まれたのだ。ベルボーイのゼロとともにコンシェルジュ・ネットワークを駆使するグスタヴは、誇りをかけて謎を解き、ホテルの威信を守ろうと大戦前夜のヨーロッパ大陸を飛び回る!
『グランド・ブダペスト・ホテル』の感想
映画『グランド・ブダペスト・ホテル』の感想や見どころをご紹介します。
ざっくりした感想はこちら。
- おしゃれで可愛い完成された世界観
- コミカルでちょっとダークな世界観
- 個性的で憎めない豪華キャスト演じるキャラクターたち
- テンポが良く飽きないストーリー展開
- 一度は泊まってみたい「グランド・ブダペスト・ホテル」
続いて、詳しい感想を述べていきましょう。
グスタヴの魅力
本作の魅力を底上げしているのは、主人公である「グランド・ブダペスト・ホテル」の支配人グスタヴ・Hの存在でしょう。
1932年のグランド・ブダペスト・ホテル。ホテルの所有者が謎ですが、支配人グスタヴを中心に、富裕層が多く集まる華やかなホテルとして運営されていました。
グスタヴは、特に年老いた女性客から支持されていました。どうやら彼は、多くの女性客と関係を持っていたようです。
その一人である富裕層のマダムDは、とある高価な名画をグスタヴに遺贈すると決めるほど彼に入れ込んでいました。
この名画を巡って劇中ではざまざまなハプニングが起こるわけですが、とにかくグスタヴは罪作りで魅力的な男というわけですね。
個人的には、紳士で丁寧なのに、どこか雑な部分があったり口調が荒いときがあったりするのが、なんとも人間味が出ていて好きです。
可愛いだけじゃない世界観
本作は一見おしゃれで可愛い世界観ですが、ポップな世界観につられて観ると、意外とダークな面がたくさんあることに驚きます。
まず、意外にあっさりと人が死にます。死に方も結構ショッキングだったりします。
人間の薄情さや寂しさ、逆に暖かさも意外ときちんと描かれています。
しかし、シリアスな場面も重苦しくなく、どこか茶化したように描かれるのが独特な作家らしさが表れていると思いました。
いい意味で作り物めいた世界観なので、どこかお伽話のような、演劇を見ているような不思議な気分にさせられます。
ゼロとグスタヴの絆に涙…?
本作では、ホテル支配人のグスタヴと新人のベルボーイ、ゼロの絆が印象的に描かれています。
グスタヴは当初、髭を自分で書かないと格好がつかないくらい幼いベルボーイのゼロを気に入り、目をかけるようになります。
いつもゼロをそばに置いていたグスタヴですが、マダムDの名画を勝手に盗んだことから追われる身となり、刑務所に放り込まれ二人は離れ離れになってしまいます。
その後、グスタヴの脱獄計画に協力したゼロ。なんとか刑務所から脱走することができたグスタヴは、お気に入りの香水をゼロが忘れたことでしばし小競り合いをしつつも、久しぶりに再会したゼロと熱い抱擁を交わします。
この場面は、二人の絆の強さと、若干のグスタヴの心の狭さを感じ、個人的には非常に心に残るものとなりました。
作中では、ゼロの恋人であるアガサにも親切に接したり、ゼロが列車内で差別を受けた場面では全力で抗議していたりと、グスタヴのゼロへの愛情が垣間見えるシーンがたくさんあります。
それを受け、1968年、ホテルのオーナーとなったゼロの姿を見ると、なんとも感慨深いものがあります。素敵な紳士となりましたね、ゼロ。
こんなホテルがあったらいいのに…!
「ホテルを舞台にした映画と言ったら本作」と言われるくらいホテル映画として知名度が高い『グランド・ブダペスト・ホテル』。
それは、劇中の舞台となっているホテルがとても魅力的だからでしょう。
そのホテルは、基本的に一人客。年齢層も高く、どうやら余生を静かに過ごしたい富裕層が訪れている様子。
グスタヴが支配人と務めていた1932年当時は、とても華やかで活気がありますが、1968年のどこか裏寂れたホテルもまた別の趣きがあります。
何より、一人客が多いというのもポイント。
現在、どこもかしこもホテルは観光客で溢れており、家族連れや恋人で賑わうのが常。しかし、一人でゆっくり過ごしたい人だっているはずです。
「グランド・ブダペスト・ホテル」のようにお互い干渉し合わない一人客が集うホテルなんて、さぞ居心地が良いことでしょう。
本作観賞後から、私の夢は老後に「グランド・ブダペスト・ホテル」みたいなホテルに暮らすことになりました。
『グランド・ブダペスト・ホテル』が楽しめる人の特徴
映画『グランド・ブダペスト・ホテル』が楽しめる人の主な特徴は、下記のとおりです。
- 可愛い世界観が好き
- おしゃれな映像が好き
- ホテルを舞台にした作品が好き
- 映画で非日常を味わいたい
- 演劇のように作られた世界観が好き
- コメディ作品が観たい
- 何も考えずに楽しみたい
『グランド・ブダペスト・ホテル』が好きな人におすすめの作品
ここでは、映画『グランド・ブダペスト・ホテル』が好きな人のおすすめしたい映画をご紹介します。ぜひ、併せてご覧ください!
アステロイドシティ
2023年公開、ウェス・アンダーソン監督の最新作。砂漠の街「アステロイド・シティ」に宇宙人が到来したことから起こる大騒動を、独特でロウな世界観で描いたコメディ映画。
ジェイソン・シュワルツマン、エドワード・ノートンなどアンダーソン監督作の常連俳優陣と、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス、マーゴット・ロビーら豪華俳優陣が共演を果たした。2023年第76回カンヌ国際映画祭、コンペティション部門出品作品。
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グランド・ホテル
ベルリンの「グランド・ホテル」には、日々さまざまな人々が訪れる。
たとえば人気の落ちたバレリーナや、彼女の首飾りを狙う泥棒。会社の経営が危機に陥った実業家と彼が雇った女性記者。そして健康を害して自暴自棄になった従業員。
各々、事情を抱えた彼らの人生がホテルと介して交錯していく…。
ヴィッキ・バウム作の同名小説を女史自ら劇化、さらにそれを映画化した作品。映画直接の扮本はウィリアム・A・ドレイク翻案の舞台脚本で、監督は『月世界征服』『夜の天使』のエドモンド・グールディング。カメラは『お気に召すまま』『摩天楼の狼』のウィリアム・ダニエルス。キャストは『お気に召すまま』のグレタ・ガルボ、『雨』『蜃気楼の女』のジョーン・クローフォード、『チャンプ』『肉体』のウォーレス・ビアリーら。
THE 有頂天ホテル
新年のカウントダウンまで、あと2時間。都内高級ホテル「ホテルアバンティ」の副支配人・新堂の使命は、新年のカウントダウンパーティーを無事終えること。
しかし、次々と思いがけないハプニングが起こる。
果たして無事、新年を迎えることができるのか…?
『ラヂオの時間』『みんなのいえ』の三谷幸喜が、『グランドホテル』で確立された「グランド・ホテル形式」そのままに、篠原涼子、オダギリジョー、寺島進、唐沢寿明、西田敏行ら豪華キャストで作り上げた群像劇。
まとめ
以上、映画『グランド・ブダペスト・ホテル』の感想と見どころをご紹介しました。
何も考えずおしゃれな世界観を楽しむもよし。
グランド・ブダペスト・ホテルに泊まったつもりで現実逃避するのもよし。
グスタヴとゼロの絆に涙するも良し。
どんな見方をしてもきっと楽しめる本作。ぜひ鑑賞してみてはいかがでしょうか。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
舞台は1955年、アメリカ南西部。砂漠の街、アステロイド・シティ。
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