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映画『リバー・オブ・グラス』感想と見どころ。退屈なロードムービーが至高って日もある

こんにちは、映画好きライターの田中です。

ほぼ毎日映画を観ている私が、おすすめしたい映画の感想や見どころをご紹介。

本日取り上げるのは、1994年公開、ケリー・ライカート監督の『リバー・オブ・グラス』です。

本作は『テルマ&ルイーズ』のように何かものすごい展開が起きるわけではなく、むしろ退屈な部類である旅映画ともいえるかもしれませんが、個人的には人生のトップ10に入るくらい好きな作品です。

ぜひ今日は、最も退屈なロードムービー『リバー・オブ・グラス』の魅力を語っていきたいと思います。

※ネタバレ含みます

概要とあらすじ

『ウェンディ&ルーシー』のケリー・ライカート監督の長編デビュー作品。

南フロリダ郊外で暮らす30歳の主婦、コージー。彼女は退屈な毎日に飽き飽きしていた。空想癖のあるコージーは、人の良い夫婦が大きなステーションワゴンでやって来て、自分の子どもたちを引き取っていくこと、そして彼女自身が新しい人生を歩めることを、延々と夢見ていた。

コージーの父、ライダーはマイアミ警察署の刑事である。ある日酒を飲みすぎ、大切な銃をどこかに置き忘れてしまい、停職を余儀なくされた。

ある日地元のバーへ訪れたコージーは、うだつの上がらない男、リーと出会い親しくなるが……。

映画『リバー・オブ・グラス』の配信状況

2023年11月24日現在、以下の動画配信サービスで視聴できます。

サービス名 視聴状況 初回お試し
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映画『リバー・オブ・グラス』の感想

映画『リバー・オブ・グラス』の感想と見どころをご紹介します。

「ロードの無いロード・ムービー」

本作は、監督であるケリー・ライカートが20代最後の年、かつての自分に捧げた映画です。

思春期のライカート氏は、刺激的な逃避行、アバンチュール、そしてアウトローに憧れていました。そんな若かりし自分に贈った「ロードの無いロード・ムービー。愛の無いラブ・ストーリー。犯罪の無い犯罪映画」

それはある種のメッセージのようにも感じます。

現実世界で何か驚くような刺激的なことは起こらず、退屈な毎日がだらっと続いていくだけなのだと。

その事実に気づき、受け入れるには、長い年月が必要なのかもしれません。

私が本作を好きになれたのは、大人になってから。何もない毎日を愛おしく思えるようになったとき、人は何かを失うのかもしれません。少し寂しいですね。

ライダーが無くした銃の意味

コージーの父、ライダーが銃を落としたことが、すべての始まりでした。

ライダーは、元ドラマーでした。しかし、結婚し、娘のコージーが生まれたことで夢を諦め、刑事になりました。

刑事になってからのライダーの生活は想像するしかありませんが、おそらくドラマーをしていたころよりも精彩を欠いていたのではないでしょうか。

銃を無くすというのは、刑事であることをやめるという意味に等しいでしょう。実際、ライダーは銃を無くしたことで停職を余儀なくされます。

停職したライダーは、前よりももっと音楽に打ち込むようになる。バーで出会った女性とも親密な仲になる。

かつての刺激的な日々が戻ってきたのかもしれません。

銃を落としたことでライダーの青春時代が蘇り、娘のコージーに刺激的な逃避行を与えたというのは、なんとも皮肉的な展開です。

退屈な街で出会ったコージーとリー

銃を手に入れたリーは、バーでコージーと出会います。

コージーに「銃で人を殺すか」と聞かれたリーは、首を振ります。しかしリーは銃を所持したことで、うだつの上がらない現状を変えることができるのではないかと期待していました。

その後二人はひょんなことから人殺しをしてしまい、逃避行を始めます。追われる身となったにも関わらず、コージーはどこか楽しそう。モーテル生活では、ゴキブリが出ただけではしゃいでいました。

コージーは劇中で、「犯罪の世界に入るこむほど、胸がドキドキする」と語ります。

しかし、結局コージーとリーは誰も殺してはいませんでした。刺激的だと思っていたはずの逃避行は、ただの退屈な旅に過ぎなかったのです。

それに気づいたコージーは、落胆。父親の銃でリーを殺し、銃を捨て、果てのない旅に出ます。

ラストに流れる音楽は、「気ままに旅をする」と歌っている。そんなところで物語は幕を閉じるわけです。

私はこのラストが、大好きです。これ以上ないほど完璧な、退屈なロードムービーのラストシーンだと思うのです。

映画『リバー・オブ・グラス』が楽しめる人の特徴

映画『リバー・オブ・グラス』が楽しめる人の主な特徴は、下記のとおりです。

  • 淡々とした映画が好き
  • ロードムービーが好き
  • 難しいことを考えずぼーっと映画を観たい
  • おしゃれな映画が好き
  • 何も起こらない映画が観たい
  • フィルム調のざらついた映像が好き
  • 海が好き
  • 旅したい気分

映画『リバー・オブ・グラス』が好きな人におすすめの映画

ここでは、映画『リバー・オブ・グラス』が好きな人におすすめしたい映画をご紹介します。ぜひ併せてご覧ください!

パーマネント・バケーション

舞台はニューヨーク。社会に適応できない高校生のアリーは、パンクを気取り、鬱屈した日々を送っていた。ガールフレンドに愛想をつかされたアリーは、夜の街を彷徨い、ひとりのサックス吹きの男に出会う…。

ジム・ジャームッシュ氏がニューヨーク大学大学院映画学科での卒業作品として制作した、16ミリ長篇デビュー作品。

81年ベルリン国際映画祭をはじめ、世界各国の映画祭で絶賛されたジャームッシュの原点である。ニューヨークの裏街を眠れないまま漂流する16歳の若者が、アウトサイダー達と出会い、自己の旅へと向かう姿を描いた。

WANDA /ワンダ

ペンシルベニア州に、ある炭鉱の妻、ワンダがいた。彼女は夫に離別され、子供も職も失い、有り金すらも盗まれてしまった。チャンスをすべて使い果たし絶望したワンダは、バーで知り合った男といつの間にか犯罪の共犯者になり、逃避行をつづける…。

アメリカの底辺社会の崖っぷちを彷徨う女性の姿を描き、70年代アメリカ・インディペンデント映画の道筋を開いた傑作ロードムービー。

オールド・ジョイ

もうすぐ父親になるマーク。彼はヒッピー的生活を続ける旧友カートから、久しぶりにキャンンプの誘いを受ける。“戦時大統領”G・W・ブッシュは再選し、カーラジオからはリベラルの自己満足と無力を憂う声が聞こえる。ゴーストタウンのような町を出て、マークとカートはポートランドの外れの山へ向かうが……。

『リバー・オブ・グラス』のケリー・ライカート監督が、ジョナサン・レイモンドの短編小説を基に製作した長編第2作目。

『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』のダニエル・ロンドンがマーク、シンガーソングライターのボニー・プリンス・ビリーことウィル・オールダムがカート役を演じた。

まとめ

以上、映画『リバー・オブ・グラス』の感想と見どころをご紹介しました。

本作は確かに退屈なロードムービーですが、そんな映画が最高って日もあります。私にとって『リバー・オブ・グラス』は、何度も観たくなる最高のロードムービーです。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!