アフィリエイト広告を利用しています

【ネタバレあり】映画『ビューティフル・マインド』の感想。どんな人間も独りでは生きていけない

こんにちは、映画好きライターの田中です。

ほぼ毎日映画を観ている私が、おすすめしたい映画をご紹介。

本日取り上げるのは、実在の天才数学者を描き、第74回アカデミー賞で8部門にノミネートした名作『ビューティフル・マインド』です。

※ネタバレ含みます

概要

「ナッシュ均衡」などで知られる、ノーベル経済学賞を受賞した数学者ジョン・ナッシュの半生を映画いた伝記映画。『アポロ13』のロン・ハワードがメガホンを取り、『グラディエーター』でアカデミー主演男優賞を受賞したラッセル・クロウが主演を務めた。

2002年、第74回アカデミー賞で8部門にノミネート、作品賞を含む4部門を受賞した。

ナッシュの妻、アリシア役を好演したジェニファー・コネリーがアカデミー助演女優賞を受賞した。

映画『ビューティフル・マインド』の配信状況

2023年10月2日現在、以下の動画配信サービスで視聴できます。

サービス名 視聴状況 初回お試し
U-NEXT 丸

見放題

お試し登録

31日間無料

Hulu 丸

見放題

お試し登録

無料体験なし

TELASA 丸

見放題

お試し登録

2週間無料

プライム・ビデオ 三角

レンタル

お試し登録

30日間無料

Netflix バツ

配信なし

会員登録

無料体験なし

ABEMA バツ

配信なし

お試し登録

2週間無料

DMM TV バツ

配信なし

お試し登録

30日間無料

あらすじ

1947年、ジョン・ナッシュはプリンストン大学院の数学科に入学する。

ナッシュは周囲から変人扱いされながらも、自身の研究に没頭する。やがて画期的な「ゲーム理論」を発見したナッシュは、功績を認められマサチューセッツ工科大学の研究所に採用される。順風満帆な日々を過ごすナッシュだったが、ある日国防省の諜報員を名乗るパーチャーから、ソ連の暗号解読という極秘任務を受けることになる。

ナッシュはそのプレッシャーにより次第に精神のバランスを崩していき、日常生活に支障をきたすようなさまざまな症状が現れる…。

映画『ビューティフル・マインド』の感想

映画『ビューティフル・マインド』のざっくりした感想は以下のとおりです。

  • 統合失調症の苦悩が当事者目線で分かりやすく表現されていた
  • 妻、アリシアの愛情がナッシュを支え成功に導いた
  • ラッセルクロウとジェニファー・コネリーの演技が圧巻
  • ナッシュの幻覚として登場するチャーリーが生き生きと描かれていた
  • リアルな描写で、統合失調症という病の恐ろしさをさらに実感した

それでは、詳しい感想を見ていきましょう。

統合失調症という病

本作は、実際の患者の目を通した「統合失調症」という病そのものやその苦しみを、非常に分かりやすく描いています。

統合失調症の症状は、幻覚や幻聴など、当事者以外には想像することも、理解することも難しいものです。

症状を映像として形にしたことで、理解しづらかった、統合失調患者が見ている「目に見えない世界」を体感することができます。

そしてその病が、どれほど苦悩を伴うことなのか、リアルに描写されています。

症状が目に見えないことから、ナッシュも多くの人に誤解され、変人扱いされてしまいます。

その世界が自分にしか見えない、聞こえないことから、説明しても分かってもらえません。

私たち視聴者はナッシュの目線を通して本作を観ているので、彼が周囲から理解を得られないことにヤキモキしますが、もし事情を知らずにナッシュのような人物に出会ったら、同じように困惑することでしょう。

人は独りでは生きていけない

そんな苦悩を抱えたナッシュですが、研究先のマサチューセッツ工科大学で、のちの妻となるアリシアに出会い一筋の希望を見出します。

アリシアは聡明で心優しい女性です。そして、ナッシュを深く愛していました。

彼女はナッシュの「統合失調症からくる言動」を受け入れたいと努めていましたが、たびたび心が折れそうになる出来事に直面します。

ナッシュの見ている世界を自分は見ることができないという孤独感や、疎外感。愛する人が周囲から怪訝な目で見られてしまうことの心の痛み。

さらには息子がナッシュの幻覚により危険にさらされ、一時は彼のもとを離れることを考えます。

しかし、アリシアはナッシュを信じ抜き、決して彼を独りにはさせませんでした

ナッシュのその後の成功は、アリシアの支えなしではなし得なかったことでしょう。

このストーリーから感じることは、どんなに天才と讃えられている人でも、人は独りでは生きていけないということ。

「ノーベル経済学章」「ナッシュ均衡」など、ナッシュが世に残した経歴が注目されがちですが、彼はそういった目に見えるものより、アリシアの大きな愛に一番の価値を感じていたのではないでしょうか。

この世に確かなものなどない

「この世に確かなものなどない。それだけは確かだ」

これは、ナッシュの幻覚であるチャーリーのセリフです。

ナッシュは、自身の見る幻覚のせいで、さまざまな苦しい思いをしてきました。

しかし、それでもチャーリーは、ナッシュにとってかけがえのない存在であり、自身を支えてくれる友でもあったのです。

大好きなチャーリーと仲良くすることで、現実世界の人間が離れていく。しかし、ナッシュにとっては、チャーリーも現実世界の良き友人に変わりないのです。

チャーリーを無視しなくてはいけないことは、ナッシュにとってとても辛いことだったでしょう。

チャーリーを含むナッシュの幻覚は、作中で描かれる彼の晩年まで消えることはありませんでした。

ナッシュは彼らを、いつもそっと見守っていたのでしょう。それは大切な過去であり、ナッシュを成長させた存在でもあったからです。

ナッシュへの賛辞「ペン・セレモニー」

物語終盤、ノーベル経済学章の受賞が決まったナッシュは、学内のカフェで大勢の学生たちから万年筆を贈られます。

これまでナッシュの歩んできた険しい道のりを思うと、報われた感がすごく、どうにもうるっときてしまう名シーンなのですが、よくよく考えると、なせペンを贈るのでしょう。

実はこれは、功績をおさめた学者への賛辞「ペン・セレモニー」という儀式なのだそう。ナッシュの在籍していたプリストン大学では、自分の万年筆を贈るのが通例になっていたようです。

さらに本作の序盤、ナッシュがまだ大学院生だった頃、ナッシュは「ペン・セレモニー」を目撃しています。その際は、遠くから見ているだけだったナッシュ。

時を経て、自身がペンをもらう立場になったというのは、なんとも憎い演出です。

映画『ビューティフル・マインド』が楽しめる人の特徴

映画『ビューティフル・マインド』が楽しめる人の主な特徴は、下記のとおりです。

  • 伝記映画が好き
  • 天才を描いた作品が観たい
  • 統合失調症の症状が知りたい
  • 感動する作品が観たい
  • 諦めない勇気をもらえる作品が観たい
  • ポジティブになれる作品が観たい

映画『ビューティフル・マインド』が好きな人におすすめの映画

ここでは、映画『ビューティフル・マインド』が好きな人におすすめの映画をご紹介します。ぜひ併せてご覧ください。

僕と頭の中の落書きたち

高校生のアダムは、たびたび幻覚に悩まされていた。ある日学校で幻覚が現れ、取り乱したアダムは事故を起こしてしまう。その後、病院で統合失調症と診断されたアダムは、母に勧められさまざまな治療を受けるが、症状は良くならなかった。

アダムは事故が原因で学校でいじめを受けるようになり、転校を決意する。転校先でアダムは、病気を隠したまま過ごしていた。次第に彼は、普通の人生を送ることを諦めるようになっていく。そんなある日、アダムは学校で溌剌とした優等生、マヤと知り合い、互いにひかれ合っていく…。

2020年に製作された、統合失調症の少年が周囲に支えられながら人生に希望を見いだしていく姿を描いた青春映画作品。

『荒野にて』で注目を集めたチャーリー・プラマーが主演を務め、『エスケープ・ルーム』のテイラー・ラッセル、『オーシャンズ』シリーズのアンディ・ガルシアが共演を果たした。監督は『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 魔の海』のトール・フロイデンタール。音楽は監人気デュオ「ザ・チェインスモーカーズ」が務めた。

博士と彼女のセオリー

1963年、イギリス。ケンブリッジ大学で理論物理学を研究するスティーヴン・ホーキングは、中世詩を学んでいる女性、ジェーンと恋に落ちる。

やがて、スティーヴンは筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症。余命2年と宣告されるも、妻であるジェーンと家庭を作り、子育てをし、自分が生かされている意味を全うしようとする。予期せぬ試練や、きれいごとばかりではない夫婦の現実。そしてふたりが辿り着く先は…。

難病、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を抱えながらも最先端の研究に励み、現代の宇宙論に多大な影響を与えた実在の天才科学者スティーブン・ホーキング博士の半生と、彼を支え続けた妻ジェーンとの愛情を描いたヒューマンドラマ。ジェーンが記した自伝が原作となっている。

ホーキング博士を演じたエディ・レッドメインは、第87回アカデミー賞で主演男優賞に輝いた。

監督は、ドキュメンタリー映画『マン・オン・ワイヤー』でアカデミー賞を受賞したジェームズ・マーシュ。

ボビー・フィッシャーを探して

少年ジョシュは、7歳という年齢ながら、チェスの天才的才能を持っている子供だ。父のフレッドは、ジョシュの秀でた才能を、かつてチェスで名を馳せた天才プレーヤー、ボビー・フィッシャーに重ね合わせ、熱心な英才教育を試みる。フレッドは往年の名プレーヤー、ブルースに会い、息子のコーチに雇うが…。

7歳のチェスの天才少年と、息子の才能を信じて育てた父親の姿を描いたヒューマンドラマ。

原作は、スポーツ・ライターのフレッド・ウェイツキンが、実子ジョシュの少年期を描いたノンフィクション。『シンドラーのリスト』の脚本家であるスティーヴン・ザイリアンが脚色と初監督を兼ね、映画化された。

製作は『アダムス・ファミリー』のスコット・ルーディンとウィリアム・ホーバーグ。撮影は『テキーラ・サンライズ』のコンラッド・ホール。音楽は『心の扉』のジェームズ・ホーナーが担った。

主演のジョシュ役は、オーディションで数千人の中から選ばれたマックス・ポメランツ(当時8歳)。

まとめ

以上、映画『ビューティフル・マインド』の感想をご紹介しました。

筆者は、統合失調症の症状を知りたくて本作を鑑賞しましたが、それを抜きにしてもストーリー展開が面白く、一つの作品として楽しめる名作だと感じました。

ラッセル・クロウ演じるジョン・ナッシュの、いくつになっても好奇心旺盛で、数学を心から愛し楽しんでいるいきいきした様は、夢を諦めない勇気を与えてくれます。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!