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映画『死刑にいたる病』を視聴できる配信サイト

今回は映画『死刑にいたる病』を視聴できる動画配信サービスをまとめました。

『死刑にいたる病』の紹介や動画配信サービスについて解説しています。

『死刑にいたる病』を視聴する方法をお探しの方は参考にしてください。

映画『死刑にいたる病』の概要

上映時間

129分

公開年

2022年

制作国

日本

キャスト

阿部サダヲ(榛村大和)
岡田健史(筧井雅也)
岩田剛典(金山一輝)
宮崎優(加納灯里)
鈴木卓爾(筧井和夫)
佐藤玲(根津かおる)
赤ペン瀧川(佐村弁護士)
大下ヒロト(クラタ)
吉澤健(地元の農夫)
音尾琢真(滝内)
岩井志麻子(赤ヤッケの女)
コージ・トクダ(相馬)
中山美穂(筧井衿子)

監督

白石和彌

映画『死刑にいたる病』の配信状況

2023年6月22日時点の情報です。正確な情報は公式サイトをご覧ください。

サービス名 視聴状況 初回お試し
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映画『死刑にいたる病』のあらすじ

大学生の筧井雅也は、祖母の葬儀に参加するために実家に戻っていた。母とは何気なく会話をするも、父とのやりとりはぎこちなく、学業の話題になると空気は最悪だった。父は雅也の教育に力を入れており、その雅也も進学校に入学して勉強していたはずなのに、入学した大学はいわゆるFランと呼ばれる3流大学だった。

学校でも馴染めず、1人で鬱屈とした日々を送る雅也。だれとも関わらずに、自身に閉じ籠もるようにして過ごす雅也は、お世辞にも明るいとはいえない。

そんなおり、実家に届けられた手紙を雅也は見つけた。宛名は榛村大和という男からで、雅也はこの名前に見覚えがあった。中学生の頃に、学校と塾の間に過ごしていた、雅也にとって心が落ち着く数少ない空間。行きつけのパン屋の店主だった。

だれにでも愛想がよく、常連の子供には笑顔で商品をサービスする榛村大和。街に溶け込んだ小さなパン屋は、人柄のいい店主によって切り盛りされていた。その裏に隠された恐ろしい一面さえなければ。

榛村大和の裏の側面は、世間を震撼させる連続殺人鬼だった。24人もの犠牲者を残忍な方法でいたぶり、そして殺害した榛村大和は、手にかけた人間を処分しながら、近所の住人と屈託のない笑みで会話をする生粋の異常者。その逸脱した精神性により、近隣の住民は彼を犯人だと微塵も疑うことはなかったほどだ。

そんな猟奇殺人犯であり、かつての優しいパン屋の店主から届いた手紙。その文面は、雅也が中学生の頃に触れ合っていた、あの優しい笑顔と声そのままのようだった。

なぜ今になって、榛村大和が手紙を送ってきたのか、雅也は不思議で仕方がなかった。榛村大和はその凄惨な殺害方法と、手にかけたあまりにも多過ぎる被害者の数から死刑が確定していた。そして立件された事件のほとんどを、榛村大和自身も完全に認めていた。

ただ1件の事件だけを除いて。

手紙には、刑務所に収監されている自分に会いにきて欲しいと書いてあった。雅也が榛村大和に会いに行くと、アクリル板越しに連続殺人鬼とは思えないような、あの頃の優しい面影を残しながら榛村大和はこう語った。

「自分の罪は認めているが、最後の事件だけは自分は関わっていない冤罪だ。犯人はほかにいる。そのことを、どうか証明してくれないか。真犯人を、見つけてくれないか」

雅也はその申し出を聞き入れ、榛村の担当弁護士から事件に関する調書を見せてもらい、単独で事件について調べ始めた。

そこには警察もたどり着くことがなかった、驚愕の事実が隠されていることを雅也は知ることになる。

キャストの紹介・作品の感想

阿部サダヲが怖過ぎる!!!!!

阿部サダヲの怪演にただただ驚かされます。元々が独特な雰囲気を醸し出す役者であり、個性的な役者であることから頭脳明晰なサイコパスキャラを怪演していても不思議ではありません。

しかし、冒頭からすぐに善良かつ無害な街のパン屋として、市民である姿をなんの変哲もなく描いたと思いきや、不穏過ぎるタイトル通りの暴力性極まりない闇の一面が描かれるギャップで視聴側の恐怖と興味をこれでもかと掻き立てます。

言葉で明確に表現するのもはばかられるようなエグいシーンの数々で、例えば爪を剥ぐシーンなどは通常であればカメラを外して視聴者に想像させるはずなのに、おもいっきり描写するあたりにこの作品の強い暴力性を垣間見ることでしょう。

(この時点で視聴を辞めたくなる人も多数いそうですが)

しかし映画が始まってからすぐにこの知性の使い方を誤り倒したサイコキラーの存在は気になるだけの一言では済まないでしょう。それこそいきなり手紙を送りつけられてきたパッとしない主人公同様に、「いったいなんなんだコイツは?」という気持ちで作品に釘付けにされること間違いなし。

まるで彼に捕まった真面目で心に闇を抱えた、数々の少年少女のように…。釘付けにされるなんて表現、この作品を見た後だと物騒にしか感じられませんね。一切笑えない冗談ですが。

白石監督によるエグ過ぎる暴力表現

この暴力的な表現に既視感があり、「まるで孤狼の血のグロ描写を見ているようだわ」と思っていたら、監督おもいっきり一緒ですね。そりゃあ引くほどキツい残酷シーンのオンパレードであっても不思議じゃありません。

ということで白石和彌監督に魅せられた方はなにかしら心にブッ刺さるのではないでしょうか。同じく猟奇的かつクレイジーなキャラクターとしても、鈴木亮平演じる上林とかいう狂気の塊みてえな怖さとはまた別です。

孤狼の血で鈴木亮平は武闘派を通り越したヤクザ役を、ボクシングが趣味であり186cmの屈強なボディで筋骨隆々に演じ切りました。

しかし、本作の阿部サダヲは別にマッチョでもなければ武闘派でもありません。にもかかわらず孤狼の血で怪演した鈴木亮平とは異なる恐ろし過ぎる暴力性を魅せており、そしてどこかに違和感しか感じないような犯罪を犯しまくるのです。

常識人以上に常識を持った狂気の偽善良者

孤狼の血で鈴木亮平が演じたのは屈強なヤクザであり、その暴力は超絶力技でした。何回も言いますが超を何回もつけるような力技でエッグい暴力表現をかましてくださっております。

(映画ではないですが同じく極道を描いたゲーム作品の「龍が如く」でもすこぶる暴力的な方法で相手をエグってますが、多分実際のヤクザ屋さんはそんなことしないはず。やってたらシャレにならん)

とにもかくにも本作の阿部サダヲはそんなファンタジックなヤーさん達とは異なり、ヒョロッヒョロですし屈強さとは無縁です。むしろ生命力とは真逆みたいな人畜無害っぷりを作品冒頭では描かれています。

何の変哲もない街の小さなパン屋さんで、非常に愛想が良くて人々とすぐ親しくなる。それはもちろん客相手でも出し、自分が住んでいる家の近くの住人だってそうです。

しかしその住まいで残虐極まりない連続殺人をヤリまくっていたというところがこの非力な怪人です。

屈強さだけが暴力性を帯びるわけではなく、むしろ常識人以上に常識をわきまえたサイコパスゆえに、一仕事終えたノリでターゲットを処分しながら近所のおじいちゃんと気さくに話すこのイカれっぷりには、恐れ慄く人と魅了される人がいることでしょう。

良くも悪くも記憶にこべりつく異常性を演じる阿部サダヲに違和感がないことが、この役者の実力を物語っていることでしょうが。こんなぶっとんだ役、演技力と雰囲気のない人間がやったらギャグにしかならん。

なぜ非力で真面目な、闇を抱えた少年少女ばかりが獲物に?

しかし、その阿部サダヲが演じるサイコキラーは何度も言うように非力なパン屋さんです。190cm近くある屈強な体なんて持っていません。

なのに24件の殺人容疑で逮捕される(!?!?)ことになるのですが、そのターゲットとなるのは、非力な高校生を中心にしています。それも、生真面目で大人しく、目立たないようなか弱い少年少女ばかり。

「自分よりも弱い相手にしか狙えない弱いやつだ!」なんて言えばたしかにそういう側面もあるかもしれません。ターゲットはヤクザでもなんでもないですから。

しかし獲物が弱いというのは自然世界にとって当然であり、動物がそもそもやっていることですから不思議ではありません。自分より強い者からは逃げ、弱い者を狩る。どんなキュートな動物だってそれやってるんです。草食動物すら無害な草食ってますしね。

ですが本作は、ただ弱い相手を狙う弱い人間の話だ、なんて軽い印象で視聴は済まないでしょう。作品に 内含されている闇は、違和感は、見ている人を非現実に誘うことなく、どこか身近にすら感じるかもしれません。

それはターゲットがいずれ自分になるかもしれないから、という不安かもしれませんし。

それはこの犯人のような気持ちがどこかにあるかもしれないと自覚する不安から、かもしれません。

病はだれもがかかるもの

本作のタイトルは「死刑にいたる病」です。

病というのはだれにでも降りかかるものです。この阿部サダヲが演じたサイコキラーは知能こそ凄まじいわけですが、抱えている闇は天才特有のものではありません。それこそターゲットとなった普通に優秀な普通に真面目な少年少女と変わらないです。

病はだれもがかかるものです。タンパク質の塊である人間は放っておけば腐敗しますし、生命維持を続けなければ命は絶えます。そしてウイルスにかかればなんらかの症状を発症するのです。

実際、本作の主人公である善良かつ真面目な主人公は、その病にかかって見ず知らずの人を殺めようとしました。ここにきてやっと主人公について触れるのは、それほどまでに主人公はなーんにも特別でもなければなーんにも特徴がないからです。

つまりそんな普通な人が、阿部サダヲ演じる榛村という人物に触れることで、内に秘めた暴力性を開花する。なぜ主人公がこんなに影薄い紹介なのかというと、主人公だけど主人公ではないからです。

榛村という人物は片っ端から闇を抱えた普通の人間にコンタクトを取っており、その1人にすぎなかったのが主人公です。そして物語のラストには、主人公の恋人がエグ過ぎる暴力性を開花します。

そうです。彼女も榛村に接触されていたからですね。

この映画を観たあと、グロいただのファンタジーな作品だとは思えないでしょう。それは多くの人が、榛村に接触されれば「もしかしたら自分も…」と思うようなゾッとするものを秘めているからです。

死刑にいたる病にかかる可能性があると、どこかで思うから。

ということでありえなファンタジーな連続殺人を描いた笑えないリアルな闇の正体が気になる方はご視聴どうぞ!