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映画『ブレードランナー ファイナル・カット』の感想や見どころを紹介!オリジナル版・ディレクターズ・カット版との違いは?【ネタバレあり】

今回ご紹介するのは、伝説のSF映画『ブレードランナー』の再編集版『ブレードランナー ファイナル・カット』です。

SF映画の金字塔ともいわれており、今なお全世界のSFファンに愛されている本作。根強い人気の理由を深掘りしていきたいと思います。

ちなみに、今回ご紹介する『ブレードランナー ファイナル・カット』は、劇場公開された、一般向けに編集された1982 年の『ブラードランナー』を、リドリー・スコット監督の思い通りに編集した1992年『ブレードランナー ディレクターズ・カット』をもとに、映像的なミスなどを修正したバージョンです。

※ネタバレ含みます

概要

SF作家の巨匠、フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』原作。近未来のロサンゼルスを舞台に展開する、レプリカント(アンドロイド)たちの物語を描いたSFサスペンス。根強いファンを多く持つ、カルト作品。

監督は、『エイリアン』『ナポレオン』などのリドリー・スコット。主人公デッカード役を「インディ・ジョーンズ」シリーズでお馴染みのハリソン・フォード、逃亡したレプリカント、ロイ役をルトガー・ハウアー、デッカードと恋仲になるレプリカント役をショーン・ヤングが演じた。

『ブレードランナー ファイナル・カット』の配信状況

2023年6月23日現在、以下の動画配信サービスで視聴できます。

サービス名 視聴状況 初回お試し
U-NEXT 丸

見放題

お試し登録

31日間無料

プライム・ビデオ 丸

見放題

お試し登録

30日間無料

DMM TV 三角

レンタル

お試し登録

30日間無料

Hulu バツ

配信なし

お試し登録

無料体験なし

Netflix バツ

配信なし

会員登録

無料体験なし

ABEMA バツ

配信なし

お試し登録

2週間無料

TELASA バツ

配信なし

お試し登録

2週間無料

あらすじ

2019年、惑星移住が可能になったロサンゼルス。

強靭な肉体と高い知能を併せ持つ、外見は人間と見分けが付つかないアンドロイド「レプリカント 」の5体が謀反を起こし、地球に侵入。レプリカント専門のベテラン捜査官「ブレードランナー」のデッカードは、レプリカントたちの追跡を開始する。一方、彼はレプリカント製造元のタイレル社でレイチェルというレプリカントに会い、心を通わせていく……。

『ブレードランナー ファイナル・カット』の感想

まずは、映画『ブレードランナー ファイナル・カット』のざっくりした感想をお伝えします。

4年しか生きられないレプリカントの人生

作中で逃亡しているレプリカント「ネクサス6型」は、4年の寿命が定められています。これは、年月を経て感情が芽生えることを防ぐためです。

ロボットやAIが「人間とは異なり寿命がない」という設定はよく見ますが、逆に感情を芽生えさせないために寿命を設けるという設定は新鮮でした。

4年しか生きられないレプリカントは、もしかしたら人間よりも命の重みや大切さを知っていたのかもしれません。

感情が芽生えたレプリカントはアンドロイドといえるのか

果たしてアンドロイドに感情は芽生えるのか、そして感情が芽生えればそれはもう、アンドロイドといえるのか。この永遠の問いに深く切り込んだ本作。とても見応えがありました。

私は今回初めて本作を観たのですが、これまで観てきたさまざまなアンドロイドものの原点のような作品で、非常に興味深かったです。

特にタイレル社で秘書をしていたレプリカントのレイチェルが、自分がレプリカントであると気付く一連の流れは印象的でした。レプリカント自身も、自分がアンドロイドであることを知らずに生まれるのです。

レプリカントの流す涙とは、いったいなんなのでしょう。それはにわか雨のようなものなのでしょうか。それとも…。

デッカードは「人間」? 「レプリカント」?

劇中で最大の謎は、レプリカントを取り仕切るブレードランナー、デッカードは人間なのか、レプリカントなのかということ。

作中では、デッカードが人間という描写も、レプリカントという描写もはっきり示されていません。ただ、随所に考察しがいのあるシーンが散りばめられています

たとえば「ディレクターズ・カット版」と「ファイナル・カット版」で追加された、デッカードが見る「ユニコーンの夢」のシーン。

これは、デッカードの同僚であるガフが捜査現場に残した折り紙のユニコーンを連想させます。デッカードの見た夢をガフが知っているということ自体が、デッカードがレプリカントである可能性を示しています。

私は、デッカードが人間であるという前提で観ていました。その方が、レプリカントVS人間という分かりやすい関係の構図で観れるからです。

しかし観賞後は、レプリカント自身が、自らをレプリカントと知らずに生まれてくるように、この世界に生きるデッカードを人間とは決めつけられないのではないかと思いました。

監督自身は、デッカードはレプリカントだと明言しているようですが…。皆さんのご意見、ぜひお聞かせください!

ラストシーン、なぜロイはデッカードを助けたのか

作中で特に印象に残っているのが、ラスト、攻防戦を繰り広げていたデッカードとレプリカントのロイのシーン。

まさに死闘を繰り広げる二人でしたが、ビルの屋上でデッカードは足を踏み外してしまいます。その時、ロイはデッカードを助けます。

追う者と追われる者という立場、敵同士であったのに、どうしてロイはデッカードを助けたのでしょうか。

まず一つ目に、ロイの死期が近づいていたことが理由なのではないかと考えられます。

ロイは自分の手のひらに釘を打ち込まないと動けないほど、機能が弱っていました。自分の死期を悟ったロイは、自分がこれまで見てきたものを誰かに話したかったから、デッカードを助けたのではないでしょうか。

2つ目は、ロイが「命」を尊いと思っていたという説です。

ロイは「ネクサス6号」のレプリカント。4年の寿命が定められています。そんなロイだからこそ、命が惜しく、どれほど大切なものなのか理解していた。

どちらにせよ、仲間の死を思って涙する慈愛に満ちたロイの姿は、人間以上に人間深く感じました。

『ブレードランナー ファイナル・カット』の見どころ

次に、『ブレードランナー ファイナル・カット』の見どころを深堀りしていきましょう。

オリジナル版との違い

本作の最大の見どころは、ずばりオリジナル版『ブレードランナー』との違いではないでしょうか。

「ファイナル・カット版」は、「ディレクターズ・カット版」をもとにしているので、まずは「ディレクターズ・カット版」と「オリジナル版」を比較していきましょう。

「オリジナル版」と「ディレクターズ・カット版」の違い

ナレーションの有無

「ディレクターズ・カット版」は、「オリジナル版」に入っていたナレーションがすべて取り払われています。

私はオリジナル版未視聴なのですが、一般向けに公開されたということで、物語の内容をある程度説明するナレーションだったのでしょうか。

ただ、口コミなどを見ると、デッカードのナレーションが好きだったという人も一定数いるようです。ちょっと気になります。どんなナレーションなのだろうか。

ラストシーン

さらに、「オリジナル版」と「ディレクターズ・カット版」ではラストシーンが異なります。

「オリジナル版」は、ラストがハッピーエンドとのこと。あの終始不穏な雰囲気のなか、どのようにハッピーエンドに持っていくのか気になるところではあるので、今度「オリジナル版」も観てみようと思います。

「ディレクターズ・カット版」では、デッカードとレイチェルが共に逃げる場面で終了しており、その後の詳しい顛末は明かされません。

なんとも釈然としない終わり方ではありますが、それが本作の魅力にもなっています。監督自身も、変更したラストに「混沌とした未来像をありのままに受け止めてほしい」というメッセージを込めているようです。

追加シーン

ほかにも、相違点は多々あります。

先述した、デッカードが見るユニコーンの夢が追加されていたりなど、新たな追加シーンもあるので、詳しくはぜひ双方のバージョンをチェックして比べてみましょう。

「ディレクターズ・カット版」と「ファイナル・カット版」の違い

それでは、さまざまな違いがある「オリジナル版」と「ディレクターズ・カット版」に比べ、ある程度監督の意向に沿った「ディレクターズ・カット版」と「ファイナル・カット版」に大きな違いはあるのでしょうか。

物語の内容的には、そこまでの違いはありません。

ただ、監督の「さらに極めたものを作りたい」という想いで作られた「ファイナル・カット版」では、「撮影・編集ミスによる矛盾の修正」「特殊効果シーンの一部変更ならびに修正」「未公開シーンの挿入」が行われています。

デッカードがゾーラに追われ、ガラスを突き抜けるシーンの修正について、DVD版プロデューサーのチャールズ・デ・ラウジリカ氏はこう語っています。

「特に、レプリカントのゾーラ(ジョアンナ・キャシディ)がガラスを突き抜けるシーンは、不自然なカツラといい、スタントマンであることは明らかだ。あまりにひどいので、ジョアンナを呼んで顔と頭を撮り直し、スタントマンの体と合成させた。」映画,comより)

また、ロイの最期のシーンも変更されています。

「これまでは雲のない青空に飛んでいくというものだったが、『ブレードランナー』らしくないと判断して削除し、デジタル処理して、酸性雨が降るダークな空へ飛び立つように変更した。」映画,comより)

このように、さまざまなシーンに細かな修正が施されているとのこと。何の違和感もなく「ファイナル・カット版」を観ていたのですが、意外と最新技術を使った編集が施されているんですね。

退廃的な未来都市の街並み

サイバーパンクの代名詞といわれる本作。やはり随所に出てくる退廃的な未来都市の街並みは、ビジュアル面で最大の魅力だと思われます。

私自身AKIRや攻殻機動隊など、未来都市を描いた作品が大好きですが、ブレードランナーの世界観の、不気味な魅力は群を抜いていると思いました。

高層ビルの壁面に映し出された芸者さんのCMも、なぜか違和感が拭えない。

ひらがなや漢字、中国語、ハングル文字などが混在しており、欧米のイメージのなかの薄ぼんやりしたアジアが体現されており、良い意味ですごく気持ち悪かったです。その奇妙さが本当にクセになる…!

叶うならば、ずっと映画の世界観に浸っていたいと思ったほどでした。

儚い「ネクサス6号」たちの魅力

本作で特筆すべきは、4年の寿命を持つレプリカント「ネクサス6号」たちの魅力でしょう。

「感情が芽生えないように寿命を設ける」という設定にある通り、レプリカントたちは感情を持つことがあります。ロイを筆頭とするネクサス6号たちにも感情があり、仲間同士で再会に喜ぶ姿や、仲間の死を知り涙を流す姿はとても印象的でした。

このネクサス6号たちの輝きは、限りある短い命を全うしようとする輝きにあるのではないかと思いました。

命を恋焦がれる彼らは、生と死の境が曖昧で、死んだように生きる人間と対照的に映りました。それは先述したように、人間よりも人間らしい姿といえるかもしれません。

(死ぬ間際のロイの表情、ずっと忘れられない…。)

『ブレードランナー ファイナル・カット』が楽しめる人の特徴

『ブレードランナー ファイナル・カット』が楽しめる人の主な特徴は、下記のとおりです。

  • SFが好き
  • 『ブレードランナー』オリジナル版が好き
  • サイバーパンクの世界観が好き
  • 退廃的な雰囲気が好き
  • 暗い映画が観たい
  • 一人でゆっくり映画を観たい
  • 雨の日家で過ごしている
  • 『AKIRA』や『攻殻機動隊』が好き
  • 余韻のあるラストが好き

『ブレードランナー ファイナル・カット』が好きな人のおすすめの映画

ここでは、『ブレードランナー ファイナル・カット』が好きな人におすすめしたい映画をご紹介します。ぜひ併せてご覧ください!

ブレードランナー2049

2022年、アメリカ西海岸で大停電が起き、世界は食物供給が混乱するなどの危機的状況を迎える。2025年、科学者のウォレスが遺伝子組み換え食品を開発し、人類の危機を救う。そして2049 年、元捜査官のブレードランナー、デッカードが突然行方をくらませて以来30年の月日が流れ、レプリカントの寿命には制限がなくなっていた。

『ブレードランナー』およびその関連作品の続編です。ちゃんとデッカードも出てくる正真正銘の続編なので、ぜひブレードランナー観賞後に続けて観てほしいです。

リドリー・スコット監督は製作総指揮を務め、『メッセージ』や『ボーダーライン』などで注目を集めるドゥニ・ビルヌーブ監督がメガホンを取りました。脚本は、前作同様のハンプトン・ファンチャーと、『LOGAN ローガン』『エイリアン コヴェナント』などのマイケル・グリーン。

前作から30年後、2049年の世界を舞台に、新たなブレードランナーの主人公“K”が、世界の危機を解決するため、30年前に行方不明になったデッカードを捜す物語です。

前作の主人公デッカードはハリソン・フォードが続投、今作主人公は『ラ・ラ・ランド』『ソング・トゥ・ソング』のライアン・ゴズリング。撮影のロジャー・ディーキンスが、第90回アカデミー賞で撮影賞や視覚効果賞も受賞。ビジュアル的に見応えのある作品です。

今回は明確にレプリカントがレプリカントを取り仕切る設定になっており、前作とはまた違った主人公の葛藤が楽しめます! 

コンタクト

「地球外知的生命体」を研究している天文学者のエリーは、ある夜、未知の電波をキャッチする。それは「ヴェガ星」からのものであり、地球上の映像と謎の設計図が納められていた。それは、ヴェガ星への輸送機関であった。

急ピッチで基地が建造されるが、エリーはヴェガ星へ飛ぶパイロットの選考から外されて石ます。だが、テロリストによりヴェガ星への発進基地が破壊されてしまい…。

地球外知的生命体と接触した天文学者の姿を描く、SF大作。1997年公開です。

1996年に他界した宇宙科学者カール・セイガンの同名小説に基づき、セイガンとその妻アン・ドルーヤンが映画用原案を作成。『フック』のジェームズ・V・ハートと『マンハッタン花物語』のマイケル・ゴールデンバーグが脚色。監督は『フォレスト・ガンプ 一期一会』のロバート・ゼメキス。

どっぷりとSF世界に浸れ、未知の遭遇への興奮を味わえる本作。意外にも派手なシーンは少なく、主人公の心の葛藤や成長がメインなのも面白いです。

それでもやはり見どころは、地球外知的生命体と主人公エリーが接触するシーン。ヴェガ星へ飛ぶ描写がやけにリアルで、胃がキリキリするほどでした。SFファン必見です!

まとめ

以上、『ブレードランナー ファイナル・カット』の感想や見どころをご紹介しました。

記事を書くにあたり、「オリジナル版」「ディレクターズ・カット版」などさまざまなバージョンがあることを知った本作。それだけ作り手の想いの強さを感じました。

オリジナル版の公開が1982年、そして舞台は2019年ですが、2023年の今観ても「見たことがない」世界が広がっており、ドキドキしながら楽しめました。

確かにこの映画で描かれた2019年は未だ実現していませんが、口コミサイトでこんな素敵なコメントを拝見し、個人的にもとても腑に落ちました。(少し言い方を変えています)

「未来図が当たってないからこそ、2019年を過ぎた今見ても、未来を感じることができる。」

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!