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【ネタバレあり】『アデル、ブルーは熱い色』の感想と見どころ。青髪エマと、小宇宙「恋愛」

こんにちは、映画好きライターの田中です。

ほぼ毎日映画を観ている私が、おすすめしたい映画の感想をご紹介。

今回取り上げるのは、2014年公開、パルムドール受賞作の『アデル、ブルーは熱い色』です。

女子高生アデルと美大生エマの、運命的な出会いとその後を描いた本作。人を好きになることの喜びとその本質について考えさせられる、至極の恋愛映画です。

※ネタバレ含みます

概要

2013年・第66回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。フランスの人気コミックを原作に、『身をかわして』『クスクス粒の秘密』などで注目を集めたフランスの新鋭、アブデラティフ・ケシシュ監督が、青い髪の美大生エマと運命的な恋に落ちた女性、アデルの情熱的な人生を描いた。

『アデル、ブルーは熱い色』の配信状況

2023年7月21日現在、以下の動画配信サービスで視聴できます。

サービス名 視聴状況 初回お試し
U-NEXT 丸

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あらすじ

高校生のアデルは、道ですれ違った青髪の美大生、エマに一目惚れをする。その後、エマを夢に見るほどのアデルだったが、ある日偶然バーで再会を果たす。

その後二人は心を通わせ、愛し合うようになる。

数年後、教師になったアデルは、画家として活動するエマのモデルをつとめながら、彼女と幸せな暮らしを送っていた。ところが、エマの友人たちを招いたパーティの後、エマの態度が変わってしまう。淋しさに耐えかねたアデルは、職場の同僚と浮気をしていまい…。

『アデル、ブルーは熱い色』の感想

まずは、映画『アデル、ブルーは熱い色』のざっくりした感想をお伝えします。

「ブルー」が熱い色だと教えてくれたエマ

私はこの映画のタイトルが、とても好きです。恋を知らなかったアデルに、自信に満ち溢れたエマが「ブルーはこんなに熱い色なんだよ」と説いているイメージが想起される、素敵なタイトルだと思います。

「青」は寒色で、冷たいイメージがあります。しかし、「青い炎」は、一般的な赤やオレンジの炎よりもずっと温度が高いことでも知られています。

そして青髪の、エマ。アデルは彼女の力強さやしなやかな生き方、熱を帯びた瞳に惹かれていきます。

エマが青髪でなくたった後も、二人が別れた後も、アデルは青髪のエマの面影を追い続けます。

ラストシーン、エマの展覧会に訪れたアデルは、印象的な青いドレスを着ていました。

本作は、完全燃焼の炎、熱い色「青」に魅せられ、「青」に囚われた人間を描いているようにも感じました。

二人を繋ぎ止めていたのは「肉欲」?

作中、アデルとエマは、身体を通じてしか愛し合えなかったように感じます。

教師の職に就き、現状に満足しているアデル。常に自分のやりたいことを追い求め、芸術家として自由に生きるエマ。

劇的な出会い方をしたものの、二人は真逆の人間ように見えます。目指している方向も見ている世界も違う。そんな二人を繋ぎ合わせていたものは何だったのでしょう。

それは「身体」だったのではないでしょうか。

個人的には、二人が通じ合っていると感じる瞬間の多くは、肉体関係を持つシーンでした。

中盤、エマがアデルの誘いを断るようになってからは、二人の関係もギクシャクし始めます。

もちろん、仮に二人が肉欲のみで繋がった関係だったとしても、それが虚しいとは思いません。

むしろ肉欲で繋がった人間たちというのは、こんなにも本能的で純粋で、美しいのかと衝撃を受けたほどでした。

小宇宙「恋愛」

本作では、異性、同性関係なく、「恋愛」の刹那的な魅力と儚さが描かれていたと感じます。

それは目新しいものではなく、極めて不変的なこと。

恋愛は、理屈では説明できず、数値化もできない宇宙空間のようなものです。

なんで好きになったのかなんて説明できないし、気づいたら始まっていて、気付かぬうちに終わっていたりもする。自分を生かしたり、殺したり。永遠だったり、一瞬だったり。

「恋愛」の複雑な仕組みは、どんなに博識な人にも解明できないしょう。

運命的に出会った青髪の女性と、いきなり宇宙空間に飛ばされる。そこではこれまで生きてきたセオリーがまるで通用しない。ふわふわ浮遊していて、おぼつかない。でも、なぜか心地良い。ずっとここに浮かんでいたい気もする…。

まさに小宇宙「恋愛」。最高に痛くて素敵です。

『アデル、ブルーは熱い色』の見どころ

次に、映画『アデル、ブルーは熱い色』の見どころを深掘りしていきましょう。

恋の喜びに溢れた出会いシーン

まず、出会いのシーンは最高です。

青髪の魅力的な女性エマに、アデルが目を奪われます。そこからはもう熱に浮かされたように、エマのことばかり考えてしまうアデル。

そしてアデルは、偶然バーでエマと遭遇。二人の距離は急接近します。

バーでお互いについて話すシーンはまさに恋の喜びに溢れています。

至近距離。ぎこちない会話。お互いの目線。全てが繊細で、息苦しい。

恋の喜びには常に呼吸困難が伴い、自分が自分じゃなくなってしまう感覚に陥るものなのでしょう。

「両方試した。男も女も。それでもやっぱり女が好き。絶対よ。」そしてその後のエマ、もといレアセドゥの表情。これこそが、「恋」の具現化といっても過言でないでしょう。

自然体なアデルの魅力とボサボサ頭

これまで、「恋」の具現化、エマ(レアセドゥ)の魅力についてはさんざん述べてきました。

ここでは、アデル(アデル・エグザルコプロス)の自然体な魅力について語っていきましょう。

アデルほど、自意識を感じさせない女優さんは珍しいのではないでしょうか。

無防備な姿は、まったくもって可愛く撮られようとしていないように見えるのに、それがかえってアンニュイで魅力的。

アデルは結構いつも髪がボサボサなんですが、それがどこか様になっている。アデル以外だったらひどい寝癖だと言われても仕方ないような有様でも、彼女なら「無造作」で済まされる。

おそらくこれが、「才能」というものなのでしょう。

本作を鑑賞している間は、エマに惚れ、息もできなくなるほど夢中になるのですが。観賞後、しばらくして冷静になったとき、アデルの魅力が再確認されるんです。

つまり、エマもアデルもとっても魅力的だということ。こんなに魅力的な二人が恋に落ちたんだから、名作にならないわけがない。

エマの冷たい涙。切ない別れ

恋の喜びとドーパミンが溢れた出会いシーンとは対照的に、二人の別れはとても悲しいものでした。

エマに相手にされないアデルは、寂しさから職場の同僚と浮気をしてしまいます。そのことをエマに問い詰められ、涙ながらに謝罪するも溝は埋まらず、二人は別れてしまいます。

数年後、二人はレストランで再会します。アデルはエマを忘れることができず、必死にすがりますが、エマにはもう別の相手がいて、冷静にいなされてしまいます。

しかし、人間臭く醜態を晒すアデルを見て、エマも静かに涙を流します。

とても悲しいシーンです。

どうして、エマは泣いたのでしょうか。

もうあの時の熱は戻らない、ということを悟ったからでしょうか。本当はアデルと別れたくなかったからでしょうか。分かりません。しかし、その冷たい涙は、もう完全に二人の仲は戻らないことを表していました。

『アデル、ブルーは熱い色』が楽しめる人の特徴

映画『アデル、ブルーは熱い色』が楽しめる人の主な特徴は、下記のとおりです。

  • 恋愛映画が好き
  • アンニュイなフランス映画が観たい
  • 恋の喜びに浸りたい
  • 淡々とした恋愛映画が好き
  • アートな映画が好き
  • 別れた恋人が忘れられない
  • 失恋中である

『アデル、ブルーは熱い色』が好きな人におすすめの映画

ここでは、映画『アデル、ブルーは熱い色』が好きな人におすすめしたい映画をご紹介します。ぜひ併せてご覧ください!

そんなの気にしない

格安航空会社の客室乗務員をしている、26歳のカサンドラ。彼女はフライトの合間にクラブで遊んだり、マッチングアプリで出会った男と会ったりして、日々を生きていた。しがらみのない自由な生活に心が満たされていたカサンドラだが、ある出来事をきっかけに、キャリアの危機が生じ…。

監督は、ジュリー・ルクストレとエマニュエル・マレ。
出演は、『アデル、ブルーは熱い色』のアデル・エグザルコプロスのほか、ジョナサン・ソウドン、ジャン=ブノワ・ユジョー、マーラ・タキン、アレクサンドル・ペリエなど。

第13回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルにてグランプリ受賞。フライトアテンダントの日常を生々しく描いた作品。

本作でも自然体なアデルの魅力が炸裂しています。

summer of 85

セーリングを楽むためヨットで沖に出た16歳のアレックス。しかし突然の嵐に見舞われヨットは転覆し、たまたま居合わせた18歳のダヴィドに救出される。

2人は出会ってから急速に友情を深め、それはやがて恋愛感情へと発展。アレックスにとって、それは初恋となった。

2人はダヴィドの提案で、「どちらかが先に死んだら、残された方がその墓の上で踊る」という誓いを立てる。2人は女友達ケイトが原因で大喧嘩をし、その後ダヴィドは不慮の事故により死亡。2人の時間はあっけなく終わりを迎える。初恋の人を失い生きる希望を失ったアレックスを突き動かしたのは、ダヴィドと交わしたあの誓いだった…。

フランス映画界の名匠、フランソワ・オゾン監督が影響を受けたエイダン・チェンバーズの小説「おれの墓で踊れ」を映画化。

少年たちの人生を変えた、ひと夏の初恋を鮮やかに描きます。

主演には、フェリックス・ルフェーブルとバンジャマン・ボワザン。第73回カンヌ国際映画祭、オフィシャルセレクション選出作品。

同性、異性関係なく一人の人間に恋をし、溺れていくことの喜びが鮮やかに描かれている名作です。

それでも私は生きていく

サンドラは、通訳の仕事をしながら8歳の娘と二人、パリのアパートで暮らしている。サンドラの父ゲオルグは、以前は哲学教師として生徒たちに尊敬されていたが、現在は病により視力と記憶を失いつつあった。サンドラは、父のもとを頻繁に訪れ、父の変化を目の当たりにしては無力感に苛まれていた。仕事と子育て、介護に追われて自分のことを後回しにしてきたサンドラだったが、ある日、旧友クレマンと再会し恋に落ちる…。

『未来よ こんにちは』のミア・ハンセン=ラブ監督が、父の病への悲しみと、新たな恋の喜びという相反する感情に直面したシングルマザーの心の機微を、自身の経験をもとに描いたヒューマンドラマ。

『アデル、ブルーは熱い色』のレア・セドゥが主演を務め、『王妃マルゴ』のパスカル・グレゴリーが父ゲオルグ、『わたしはロランス』のメルビル・プポーが恋人クレマンを演じた。

まとめ

以上、映画『アデル、ブルーは熱い色』の感想や見どころをご紹介しました。

恋の喜びと切なさに溢れた本作。息が詰まるような胸の高鳴りから始まり、「青」への未練を残した喪失感で終わる『アデル、ブルーは熱い色』。

恋する喜びを味わいたい人にも、失恋の悲しさを実感したい人にもおすすめです。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!