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『ブレードランナー 2049』の感想と見どころ。人間よりも人間らしいレプリカントたち【ネタバレあり】

今回ご紹介するのは、SF映画の金字塔、カルト的人気を誇る『ブレードランナー』(1982)の続編、『ブレードランナー 2049』です。

2017年公開の本作。前作を踏襲する雰囲気と、さらに洗練された世界観。多くの「ブレードランナー」ファンを沸かせた超大作です。

今回はそんな『ブレードランナー2049』の魅力について語っていきたいと思います!

※ネタバレ含みます

概要

『ブレードランナー』およびその関連作品の続編です。

前作で監督を務めたリドリー・スコット監督は製作総指揮を務め、『メッセージ』や『ボーダーライン』などで注目を集めるドゥニ・ビルヌーブ監督がメガホンを取る。脚本は、前作同様のハンプトン・ファンチャーと、『LOGAN ローガン』『エイリアン コヴェナント』などのマイケル・グリーン。

前作から30年後、2049年の世界を舞台に、新たなブレードランナーの主人公“K”が、世界の危機を解決するため、30年前に行方不明になったデッカードを捜す物語。

前作の主人公デッカードは、ハリソン・フォードが続投、今作主人公は『ラ・ラ・ランド』『ソング・トゥ・ソング』のライアン・ゴズリング。撮影のロジャー・ディーキンスが、第90回アカデミー賞で撮影賞や視覚効果賞も受賞。ビジュアル的にも見応えのある作品。

『ブレードランナー 2049』の配信状況

2023年6月28日現在、以下の動画配信サービスで視聴できます。

サービス名 視聴状況 初回お試し
U-NEXT 丸

見放題

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31日間無料

プライム・ビデオ 丸

見放題

お試し登録

30日間無料

Netflix 丸

見放題

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Hulu バツ

配信なし

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無料体験なし

ABEMA バツ

配信なし

お試し登録

2週間無料

DMM TV バツ

配信なし

お試し登録

30日間無料

TELASA バツ

配信なし

お試し登録

2週間無料

あらすじ

2022年、アメリカ西海岸で大停電が起き、世界は食物供給が混乱するなどの危機的状況を迎える。2025年、科学者のウォレスが遺伝子組み換え食品を開発し、人類の危機を救う。そして2049 年、元捜査官のブレードランナー、デッカードが突然行方をくらませて以来30年の月日が流れ、レプリカントの寿命には制限がなくなっていた。

『ブレードランナー 2049』の感想

それでは、映画『ブレードランナー 2049』のざっくりした感想を述べていきたいと思います!

前作との違い

前作は、レプリカント(アンドロイド)の寿命という部分に焦点が当てられていました。

今作では、レプリカントの生殖という、さらに踏み込んだ内容になっており、前作の世界観を踏襲するだけではなく、より深くレプリカントの「感情」に踏み込んだ深みのある作品になっています。

そして、40年近く前の前作に比べると映像技術も大幅に進歩し、街並みのチープで退廃的なアジア感はやや薄れ、無機質でスタイリッシュな近未来の雰囲気が全面に出ていたと思います。
ただ、前作主人公のデッカードが登場したり、カオスなデジタル広告やアジア諸国の言語が入り混じった看板などの雰囲気は相変わらずで、前作ファンも十分楽しめるものになっていたのではないでしょうか。

ただ、前作を観ていない方は少し難解に感じるかもしれません。

人間よりも人間らしい「レプリカント」

本作の印象的な点は、登場人物のほとんどがレプリカントであること。しかし、彼らには感情的な部分があり、人間よりも人間らしいと感じられる。

こういった部分は、前作で登場したレプリカント、ロイ・バッティを彷彿とさせるものがあると思いました。

本作がやや難解だといわれる理由の一つに、「人間とレプリカントの境目が分からない」というものがあるでしょう。それは言ってしまえば作品の意図でもあり、「何を持ってして人間なのか」を視聴者に問いかける仕掛けなのではないでしょうか。

前作でも、感情を持ったレプリカントは人間と何が違うのか、というテーマが提示されていました。本作でも、生殖するレプリカントは、もはや人間と変わりないのではないか、という類似したテーマが示されています。

主人公Kの人物描写とホログラムの恋人

主人公のKの私生活も、興味深く描かれていました。

人間社会に紛れ込み、労働用の人造人間「レプリカント」を処分する役目でありながら、自身もレプリカントという複雑な立場にある捜査官、K

彼は仕事が終われば自宅へ帰り、夕食をとり、翌日また仕事へ出かけるという人間と何ら変わりない生活を送っています。

Kには恋人がいます。彼女の名前はジョイといい、実態を持たないホログラムの恋人です。

ジョイは、ネアンデル・ウォレスの経営するウォレス社が販売するホームAIであり、Kの家にも装備されています。

概念的な存在のジョイと、レプリカントKのラブシーンは、とても儚く切ないものでした。ジョイがKに向ける暖かい眼差しは本物の人間のようですが、一瞬にして消えてしまう脆い存在です。

二人の関係性は、人と人が愛するのに実体は必要なのか、という問いを示しているのではないかと感じました。

『ブレードランナー 2049』の見どころ

次に、映画『ブレードランナー 2049』の見どころを深掘りしていきましょう。

前作を踏襲する世界観

本作の魅力は、さらにグレードアップされた映像技術で表現される、前作を踏襲した世界観でしょう。

前作にあったサイバーパンク感は薄くなりましたが、退廃的な雰囲気は健在で、全体的な作品の暗さは増しているように感じました。雑多で味が想像できない食べ物を売っているアジア風味の繁華街は、今作にもありました!(ここ結構重要ですよね)

前作『ブレードランナー』の独特な世界観や演出を生かしつつ、より洗練された映像美で作品の世界観が壮大にグレードアップされていたのではないでしょうか。

確かに前作の醍醐味だった、酸性雨の降る、昭和感の漂うチープなアジアの陰鬱さは薄まっていましたが、作品内の世界で時間経過があるので、それに準じた相応な変化だと受け取りました。

洗練された映像美

前述のとおり、本作は前作にはなかった無機質でスタイリッシュな世界観が魅力だと感じました。

前作と比べて雑多な要素が消え、シンプルで巨大な構造物や建物の描写が増え、どこか心細い、途方もなく壮大な近未来の雰囲気が確立されていました。

登場人物も少なく、主人公のKが巨大な建物内にポツンと佇んでいるような構図も多く、取り残されたような不安感がつきまとう演出は、とてつもない没入感にもつながっていたと思います。

前作主人公、デッカードとKの対峙シーン

なんといっても本作の見どころは、主人公Kと、前作主人公デッカードの対峙シーンでしょう。

作中で初めて二人が出会うのは、デッカードが住んでいる廃墟にKが潜入する場面。

攻防を繰り広げながら、二人はディナーショーの会場のような、不思議な無人ホールに辿り着きます。会場では、お馴染みのスターのライブシーンがホログラムで映されており、なんともいえず寂しく、不気味です。筆者はこの奇妙なシーンが、一番好きでした。

また、本作ではデッカードのその後が描かれているのもポイントです。時間の経過とともに、老いたデッカードから、前作のような精悍さは消え落ちていました。その代わり、恋人のレプリカント、レイチェルへの愛情は増しているように感じました。

年老いたデッカードについては賛否両論で、「見たくなかった」という人もいれば、「またデッカードに会えてよかった」という方もいます。どう感じるかは、ぜひあなたの目で確かめてみてください。

『ブレードランナー 2049』が楽しめる人の特徴

映画『ブレードランナー2049』が楽しめる人の主な特徴は、下記のとおりです。

  • SFが好き
  • 映画『ブレードランナー』が好き
  • 映画『ブレードランナー』を視聴している
  • 無機質な巨大建物が好き
  • 洗練された映像美を楽しみたい
  • 退廃的な雰囲気が好き
  • 暗い映画が観たい
  • 一人でゆっくり映画を観たい
  • 『AKIRA』や『攻殻機動隊』が好き
  • 余韻のあるラストが好き

『ブレードランナー 2049』が好きな人におすすめの映画

ここでは、映画『ブレードランナー 2049』が好きな人におすすめしたい映画をご紹介します。ぜひ併せてご覧ください!

ブレードランナー

2019年、惑星移住が可能になったロサンゼルス。

強靭な肉体と高い知能を併せ持つ、外見は人間と見分けが付つかないアンドロイド「レプリカント 」の5体が謀反を起こし、地球に侵入。レプリカント専門のベテラン捜査官「ブレードランナー」のデッカードは、レプリカントたちの追跡を開始する。一方、彼はレプリカント製造元のタイレル社でレイチェルというレプリカントに会い、心を通わせていく……。

SF作家の巨匠、フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』原作。近未来のロサンゼルスを舞台に展開する、レプリカント(アンドロイド)たちの物語を描いたSFサスペンス。根強いファンを多く持つ、カルト作品。

監督は、『エイリアン』『ナポレオン』などのリドリー・スコット。主人公デッカード役を「インディ・ジョーンズ」シリーズでお馴染みのハリソン・フォード、逃亡したレプリカント、ロイ役をルトガー・ハウアー、デッカードと恋仲になるレプリカント役をショーン・ヤングが演じた。

『ブレードランナー 2049』を最初に観た方は、ぜひ前作も鑑賞して欲しいです。より雑多で退廃的な、独特の雰囲気を堪能できます。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊

西暦2029年。犯罪を未然に防ぐために組織された、公安の精鋭による特殊部隊「攻殻機動隊」。攻殻機動隊は、国際手配中のハッカー「人形使い」が、日本に現れるとの情報を掴む。

そんなある日、事故で破損した女性型アンドロイドが運び込まれてきた。ただの機械であるはずのボディ「義体」には、危険な秘密が隠されており…。

押井守監督が1995年に手がけた、SF長編アニメの金字塔。士郎正宗のコミック『攻殻機動隊』を、アニメーション映画化した。

全米ビルボード誌のビデオチャートでは、週間1位を獲得。海外でも評価が高く、押井守の名を世界に広めた代表作である。

アンドロイドの意識について切り込んだ作品。レプリカの身体を持つアンドロイドが「身体だけではなく、心も自分のものといえるのか」と自分自身の存在に疑問を持つ内容が、本作や前作『ブレードランナー』に通づるものがあります。

メッセージ

巨大な球体型宇宙船が、突如地球に降り立つ。世界中が不安と混乱に包まれる中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は宇宙船に乗ってきた者たちの言語を解読するよう軍から依頼される。彼らが使う文字を懸命に読み解いていくと、彼女は時間をさかのぼるような不思議な感覚に陥る。やがて言語をめぐるさまざまな謎が解け、彼らが地球を訪れた思いも寄らない理由と、人類に向けられたメッセージが判明し……。

本作で監督を務めた、ドゥニ・ヴィルヌーヴのSFドラマ。テッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』を映画化。

球体型の宇宙船で地球に飛来した「知的生命体」との対話に挑む、女性言語学者の姿を描く。『ザ・マスター』などのエイミー・アダムス、『アベンジャーズ』シリーズでお馴染みのジェレミー・レナー、『ラストキング・オブ・スコットランド』などのフォレスト・ウィテカーらが共演。

本作のスタイリッシュで無機質な、どこか不気味な世界観が気になった方は、ぜひ『メッセージ』もチェックしてみてください。

まとめ

以上、映画『ブレードランナー 2049』についてご紹介しました。

やはり前作と同様、人造人間であるレプリカントたちが、人間よりも人間らしく見えるのが印象的でした。

時代は変わっても、『ブレードランナー』シリーズを観ると、人間を人間たらしめるものについて考えてしまいます。

そしてどうしても、4年の命で散っていったネクサス6型のレプリカントたちを思い出してしまいます。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!え